伊勢神宮を通じて知る日本精神

~~伊勢神宮とアテネのパルテノン神殿との比較~~

世界的知名度や訪れる観光客の数では、パルテノンの方が勝っている。パルテノン神殿はその名のとおり、ギリシャ時代の神を祀る建造物だった。が、その遺跡にはもう神はいないし、そこを訪れる観光客の中にその神殿に神の存在を感じる人はいないだろう。二千年以上の時を経てなお現存しているのは、建物が石という永遠なるものによって成り立っているからに他ならない。

一方、伊勢神宮は木造建築物であるために、高温多湿の日本的気候風土の中では、いずれ朽ち果てるはかない存在なのだ。伊勢神宮がもし信仰の対象としてそれを護り存続させようとする人がいなくなったら、ほどなく消え失せてしまって現存してはいなかったであろう。が、伊勢神宮が神の社として建造されて以来、千数百年の永きにわたって、途絶えることなく、二十年毎に再建が繰り返されてきたからこそ、今もあのような神々しい姿を留めることができるのである。伊勢神宮を信仰の対象として護り、未来にわたって再建しつづけようとする氏子の連続こそ力だを教えてくれる。

パルテノン神殿と伊勢神宮の石と木の違い

 

昆明編 ーー>